大阪のビザ申請の行政書士事務所ブログ

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偽装結婚の疑いで韓国人と日本人が逮捕!初の偽装滞在者強化の適用

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偽装結婚関係の容疑で逮捕されたというニュースがありましたね。

 

 偽装結婚が発覚しないよう、ニセの家族写真を撮影するなどして、不正に日本に入国した疑いで、韓国人の女らが警視庁に逮捕された。

韓国人女性43)は、2017年4月、日本人男性容疑者(65)と結婚しているように装って、在留資格を申請するなど、不正な手段で日本に入国した疑いが持たれている。
 2人は偽装結婚が発覚しないよう、互いの家族をそれぞれの国に招待し、家族写真を撮るなど偽装工作をしていた。
 入管難民法は2016年、結婚の実態がないのに在留資格を申請しただけでも罪に問われるよう改正され
、その規定が適用されるのは、今回が初めて。

 (参照:https://news.yahoo.co.jp/

 

偽装結婚は、普通に恋愛して国際結婚されるカップルについて無関係ではありません。

お相手の国籍や交際状況などから、ありもしない偽装の疑いの目を向けられることも多くあります。

 

悲しいことに「本当に結婚?」と見られてしまうんですね。

ビザ(在留資格)の申請の際に、お二人の写真を提出したり交際の経緯等を書かされるのもこのためです。

 

今回のニュースの概要

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テレビニュースなど別のソースとも合わせてみました。

今回の逮捕劇を時系列に纏めるとこのようになります。

  1. 韓国人女性がブローカーを介して日本に住むことを目論む
  2. ブローカーが日本人男性に50万円近くの報酬を支払い、韓国人女性と結婚させる。
  3. ブローカーが、それぞれの親族との集合写真を撮るなどアドバイス等をして、女性にビザ(在留資格)を取らせるために必要な申請書類準備のコンサルティングを実施(私の推測です)
  4. 夫婦のどちらか、または何も知らない行政書士など、またはブローカーお抱えの行政書士等がビザの申請。そして入国管理局から許可を取得
  5. 韓国人女性が来日するも、日本人男性とは同居せず
  6. 在留資格の更新の申請または入国管理局からの個別の調査で、夫婦同居の事実を証明する書類を提出したところ、入国管理局からの裏付け捜査によって嘘とバレる
  7. 逮捕。韓国人女性は否認、日本人男性は容認→今ここです。

 

①韓国人女性がブローカーを介して日本に住むことを目論む

今回のニュースでは、韓国人女性の日本に住むことの目的までは明らかにされませんでした。

 

一般的に、不法入国する外国人の目的は「仕事」です。日本の方が稼げるから、または日本でおいしいビジネスがあるなどで、日本に住みたい外国人がいます。

 

また、今回は日本人との偽装結婚ということですので、韓国人女性は配偶者ビザを手に入れているはずです。

このビザは来日時に取得できるビザとしては最も優れているビザで、就労が自由になります。

普通のビザは、限られた仕事にしか就くことができなかったり、学歴が必要だったり、労働時間の制限があったり、そもそも働くことができなかったりetc...。

というように、使い勝手のいいビザ(在留資格)なんです。

 

②ブローカーが日本人男性と韓国人女性を結婚させる。

この日本人男性、50万円近く貰っているみたいです。

年齢も65歳ということで、ありもしない結婚で戸籍を汚すことに抵抗も無かったのでしょう。お金も貰えるし。

 

今回のように、日本人男性をターゲットに偽装結婚を迫ってくるブローカーは実際に存在しますので、気をつけてください!

 

③ブローカーが偽装結婚をコンサルティング(私の推測)

はっきり言って、偽装結婚で普通にビザ申請してもビザは取れません。不許可になります。

それは、やはり入国管理局側も多くの審査をするなかで偽装結婚特有の傾向を掴んでいます。

 

つまり、偽装結婚特有の傾向が見受けられれば、「厳しく見ます(審査する)」ということ。

 

例えば、今では市民権を得たとも言える年の差婚や別居婚は、国際結婚では偽装結婚の可能性があると考えられます。

当然、交際期間が短かったり、遠距離恋愛であれば会った回数が少ないなども同様です。

 

ブローカーとしても、その辺はよく知っています。

そこで、ビザの申請が通りやすいようにアレコレと手を尽くすんです。

今回の記事にあるような家族との集合写真はブローカーが指南したことだと思われます。

 

しかしまあ、今回は「それぞれの家族を招待して集合写真を撮った」とあるので、かなり大掛かりです。普通は結婚する当事者がお互いの国を行き来するにとどまりますので、相当なお金をかけていると思われます。

かなり慎重に進めたと思いますね。

偽装結婚にはお金をかけない(だって稼ぐためにするから)ことがセオリーですので、ここまでされると入国管理局も偽装結婚と見抜けないのかもしれません。

 

ちなみに、幸いなことに日本ではブローカーが入国管理局に賄賂云々という話は聞いたことがありませんが、諸外国ではありえる話です。

 

④韓国人女性がビザ(在留資格)取得

おそらく今回取得されたビザは配偶者ビザですが、韓国人女性からは申請できません。

今回のケースであれば夫である日本人男性か、資格のある専門家です。

専門家とは、一般的には行政書士ですね。

 

行政書士であれば、偽装結婚を知っていたのかな〜どうでしょう。

この前、私のところにも偽装結婚での配偶者ビザの代行申請の依頼がありました。

もちろん、依頼時には偽装結婚ということは隠されていました。

でも、この時は男性からの依頼だったのですが、怪しいんですよね、話の中身が。かと言って、「偽装結婚ですか?」と聞くのはなかなか難しい…だって本当の結婚だったら失礼極まりないですしね。

あまりにも怪しすぎて、最終的には「偽装ですよね」と決めつけて言ってやりましたが、今後についてはもう少し対応を考えたいと思います。

 

とにかくまあ、注意が必要です。

 

⑤同居しない夫婦

だって偽装だもの。結婚しただけでそれ以上でもそれ以下でもない二人。

一緒に住むはずはありません。同じ組織に所属していれば別ですが。

 

⑥同居していないことがバレる

ANNでは「夫婦として同居しているという嘘の証明書を東京入国管理局に提出した」と報道していました。

 

提出した書類は、おそらく住居内の写真だと思います。夫婦が実際に住んでいそうな写真ですね。

これが、「嘘の証明書」と報道されているので、おそらく届け出ている住所とは別の家の写真でも提出したのではないでしょうか。

もしくは、夫婦が同居していると思えない写真だったか。

 

⑦逮捕

お二人とも逮捕です。

日本人男性としては「戸籍を貸しただけ」という感覚があったかもしれませんが、これは罪なんです。

ブローカーも逮捕してほしいところですね。続報期待です。

 

逮捕の根拠となる法令 入管法

入管法(出入国管理及び難民認定法)が2017年1月に改正され、偽装結婚に対して厳しく取り締まれるようになりました。今回は第1例目とのことです。

 

以前は、偽装結婚というだけでの逮捕は難しく、入国管理局としては「ビザを発給しない・更新しない」程度の対策しかできなかったのですが、改正後は偽装結婚が発覚すれば厳しく処罰できることになりました。

 

実際には、偽装結婚のみを対象とはしておらず、「偽装滞在者対策の強化」と謳われています。

改正による強化ポイントは大きく2つです。

・罰則の強化

・在留資格取消制度の強化

 

偽装滞在者対策 罰則の強化

今回は夫婦の同居の証明書でしたが、実際には申請のために提出した書類全てが対象となります。偽造した卒業証明書、虚偽の雇用証明書(外国人を雇う社長さん、注意して!)は当然アウト。

 

罰則の対象となるのは

・偽りその他不正の手段によって

 ・上陸許可を受けて上陸した者

 ・在留資格の変更許可を受けた者

 ・在留期間の更新許可を受けた者

 ・永住許可を受けた者 など

 とされています。平たくいえば、不法に日本に住んでいる外国人全員が対象ということです。

 

罰則の内容はこちら

・3年以下の懲役または禁錮

・300万円以下の罰金

 

また、彼らを幇助した人にも罰則があります。

営利目的でこのような行為を行うことを容易にした者については,通常の幇助犯処罰の刑(正犯の法定刑の半分)よりも重い3年以下の懲役又は300万円以下の罰金のいずれか又は両方を科すものとされています。

 

今回のケースだと、韓国人女性、日本人男性共に最大で3年以下の懲役または禁錮または300万円以下の罰金刑が科せられることになりそうです。

 

ちなみに、ブローカーが日本滞在のビザ(在留資格)を持っていた場合、退去強制です。

 

偽装滞在者対策 在留資格取消制度の強化

これに関しては2つあります。

①在留資格取消事由の新設

②調査主体の追加

 

①在留資格取消事由の新設については、外国人が持っているビザ(在留資格)とビザの種類が不一致となっても(例えば離婚など。「在留資格に応じた活動をしていない」と表現します)、3ヶ月以上経たなければ入国管理局としてはビザの取消できませんでした。

しかし今回の改正で、3ヶ月経たない場合でも「在留資格に応じた活動を行っておらず,かつ,他の活動を行い又は行おうしている場合」には,在留資格を取り消すことが可能となりましたので、 注意が必要です。

※正当な理由があった場合は除く

 

②調査主体の追加は、従来は入国審査官だけが在留資格を取り消すかどうかを判断する前提となる事実の調査ができたのですが、入国警備官も行えるようになったということ。

ちなみに、入国警備官は外国人専門の警察です。取り締まりができる権限を持つ人が増えたということですね。

 

終わりに

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今回のニュースは本当に氷山の一角だと思います。

今回は偽装結婚でしたが、日本に対して偽りの申請をして、もしくは黙って不法滞在をする外国人が後を絶ちません。

ある意味では、それだけ日本に魅力があるということですが、犯罪は犯罪を呼びますので、日本の治安悪化に繋がっていきます。

 

また、日本は外国人に対して厳しい国です。本質的には問題ないはずのビザの申請が不許可になることも多くあります。

 

そのため、申請する側としては、「これくらいなら嘘をついてもいいだろう」という心理になりがちです。

しかし、法の改正によって「嘘」に対して厳しく対処できるようになりましたので、従来許されていた内容が、今では逮捕されるということもあり得るようになりました。

 

ビザ(在留資格)の申請は誠心誠意、真実のみが記載されている申請書類を用意しましょう。