外国人の方が日本に住むにはビザ(在留資格)が必須です。旅行での来日でもビザが必要となる国籍の方もいらっしゃいます。これらのビザを取得するため、帰化するための申請は自分ですることが可能です。

ですので、どこかに依頼することは本来必要ありません。

でも、みなさん諸事情により専門家に依頼されるケースが多いんですね。なぜ自分で申請せず専門家に依頼するのか、そのメリットを挙げてみますね。

※ビザ申請の専門家は弁護士と行政書士がいます。行政書士が一般的ですので、以下、専門家=行政書士として説明していきます。
※弁護士・行政書士の資格だけではビザの申請代行はできません。士業の資格とは別に「申請取次」の資格が必要です。

 

申請方法がよく分からん!

代表的なのは、手続きが煩雑でよく分からないから行政書士に依頼したいという方。

ごもっともです。

申請先である入国管理局などに手続き方法については公開されていますし、電話問い合わせにも対応してもらえますが、専門用語も多いですし、手続きが煩雑ですので規定の申請書を書き上げるだけでも苦労します。

しかも、それに加えて添付書類を集めなければなりません。

自分の場合に必要な書類が何か、その書類を入手できない場合はどうしたらいいのか、と分からないこと・不安なことだらけになることが多数だと思います。

専門の行政書士に依頼すれば、必要な情報を伝えれば書類作成してもらえますし、書類取得も代行、代行できないものは入手方法や代替書類のアドバイスをしてくれます。

 

役所での日本語でのやり取りが厳しい

日本人でも役所とやり取りするのは嫌だという方も多いと思いますが、外国人の方にとっては言語の壁もありますので、役所とのやり取りのハードルは日本人以上に高いです。

一番辛いのが、言葉の取違い。

書類作成はウェブツールや辞書を使えば翻訳できますが、誤訳もあり得ます。
口頭でのやり取りになると、言わずもがなです。
しかも、専門用語が飛び交いますし、申請手続きは流れを理解していないと勘違いすることも多々あります。

こうしたハードルを専門の行政書士を間に挟むことによってスムーズに申請することができます。

 

役所に何度も足を運ぶほど暇じゃない!

役所が開いているのは平日昼間だけです。お仕事をされている方が平日に役所に出向くのは大変です。

申請書が完璧で、申請内容に問題がなければ申請書の提出に行くだけで済みます(ただし、申請内容によっては面接や書類受け取りに行かないとならない)。

でも、申請書が不完全で申請内容に問題があれば、役所に何回も行かなければならないことも。
しかも、不許可になれば再申請しなければなりません。

行政書士に依頼することで、申請手続きの訪問を省くことが可能ですし(帰化などは除く)、申請に対する役所からの問い合わせも大幅に減らすことが可能です。

 

許可される可能性が高くなる

この表現は多少語弊があります。
こうした言い回しを避ける専門家もいます。

なぜなら、そのビザの条件に合った方しか申請は許可されないからです。
条件を満たさない申請は許可されませんし、専門家が間に入るからといって口利きなんてこともできません(諸外国ではありえるかもしれませんが)。

では何故「許可される可能性が高くなる」と言ったのかというと、条件を満たしていることを証明できる可能性が高くなるからです。

規定の申請書類一式を提出するだけでは、条件を満たしていないように見えることがあるんですね。規定の申請書類一式は、あくまで最低限必要とされている書類です。これらの書類だけで条件を満たしていることを証明できれば問題ありませんが、条件を満たしていなかったり、申請内容に嘘があるのではと疑われた場合、申請者側で証明しなければなりません。

専門の行政書士に依頼すれば、許可されるための条件を満たしていることを証明するための書類作成や、書類取得の指示を得ることが可能です(完璧とはいきませんが)。

また、条件を完璧に満たしているものの、審査する側から疑わしく見られる可能性のある方については、疑惑を払拭するための資料を申請者の協力と共に準備することもできます。

 

専門の行政書士に依頼するデメリット

一番大きなデメリットは、費用がかかることです。

例えば、在留資格認定証明書交付申請(ビザを初めて取得するときの申請)では、自分で申請すれば、手数料(収入印紙代)は無料です。ビザの変更・更新でも4,000円しかかかりません。

これが、専門家に依頼すると、更新で5万円前後、新規・変更で約10万かかります。先ほど挙げたメリットと天秤にかけて高いと思うか、安いと思うかでご判断されたらいいと思います。

また、ビザに詳しい方やビザの申請内容に全く問題のない方にとっては、直接申請する方が楽かもしれません。自分でできることを、わざわざお金と手間暇をかけて第3者(専門家)を介して申請するわけですから。

ただし、いざ自分で申請してみたら想像以上に大変だった、不許可になったという可能性はつきまといます。時間に余裕のある方はご自身で申請してみるのも良いと思いますが、もし不許可になった場合は専門家に依頼すると割増料金を取られますのでご注意下さい。

また、再申請は不許可リスクが高まります(前の申請内容との不一致が出てくると、リカバリーできないことも)。私がこうした専門家だから言うのではないですが、できるだけ初回の申請は専門の行政書士に依頼された方がいいと思います。ビザが取れないと日本滞在できませんので、その後の人生設計が大幅に狂うことになるからです。

初回だけ専門の行政書士に依頼して、次回の更新はご自身で申請される方がリスクが少なくてオススメです。

■相談した専門家がイマイチだったら…

詳しくはこちら